研究紹介

東アフリカ牧畜社会は、近年、度重なる旱魃とアサルトライフル銃を用いた紛争により、恒常的な危機状態にあり、人道的支援がいわば常態化しつつある状況にあります。

人道支援においては、人類普遍の立場が重視されることがあります。また、人道支援の実務家は、必ずしも、その地域の文化に精通しているわけではありません。そのため、実際の人道支援の現場では、地域文化の多様性に対してどのように配慮することができるのかが問題となることがあります。この問題は、とりわけ東アフリカ牧畜社会のように、特徴的な文化を有している集団の場合に顕著となります。

この研究計画では、東アフリカ牧畜社会を研究してきた研究者が、フィールドワーク(現地調査・臨地調査)によって、人道的支援と在来の牧畜文化の両者が組み合わさる領域(接合領域)を明らかにし、それをどのように調整していけばよいのかを探求していくことを予定しています。つぎに、その調査成果をおもに国際協力の実務経験者が検証していく予定です。さらに、それをアフリカの狩猟採集民や農耕民の調査成果と比較して視野を広げていくことを計画しています。

最終的に、様々な専門分野の学際的協働による総合的地域研究の立場から、人類普遍の前提に立つ人道支援枠組みを、牧畜社会の実状に即したものにローカライズすることで、地域の潜在能力を発掘し、援助依存から脱する道を探求していく予定です。

わが国の地域研究、生態人類学の研究者グループは、1961年以降、東アフリカ牧畜社会の調査研究を継続しており、その成果は、海外の学術書でも引用されるなど、国際的にも高い評価を受けてきました。この研究の研究組織は、その流れを汲む研究者を中心として、様々な専門分野から長年アフリカを研究してきた10人の研究者によって組織されました。

本研究に対するご理解とご協力をお願い致します。

COPYRIGHT © 2013-2017 接合領域接近法による東アフリカ牧畜社会における緊急人道支援枠組みのローカライズ AllRIGHTS RESERVED.